上海でいちばんのお気に入りだった小龍包のお店がなくなり、気が付けばもう3ヶ月。
落ち込んでいても仕方ないので、新たなお気に入りを見つけるべく新規開拓の旅へ。
手始めに会社にほど近い、雲南南路美食街にある小さな大衆食堂からスタートです。
この通りはかつて、出張ベースで上海に通っていたころの拠点にほど近い場所で
美食街とはいっても、その実態はローカル系の食堂がひしめく独特の街並みです。
夜間ともなれば新疆系のお店から立ち昇る、羊肉串の煙に包まれるエキゾチックな場所。
けれど、平日の早朝とあっては羊肉串のお店も、羊肉しゃぶしゃぶのお店も開店前で
煙の代わりに包子などを蒸す蒸気が吹き上がり、辺りを白く染め抜いていました。
お目当てのお店は紅塗りの外壁や柱が中華チックな、昔ながらの大衆小吃のお店です。
入り口で食券を買って薄汚れたテーブルにつき、ぐるりと辺りを見渡せば
まるで古いカンフー映画の舞台みたいで、なかなかの雰囲気です。
やがて運ばれてきた小龍包は一粒がかなり大きく、無造作に10粒ほど並んでいました。
破れないよう箸でそっと持ち上げるのですが、中にスープがたまっている気配はなし。
小皿のお酢をちょんと付けてレンゲに乗せ、端の部分を噛み破ってみました。
普通なら熱いスープと湯気がほとばしるはずなのですが、沈黙を守っています。
思い切って口中にえいやっと放り込むものの、予想していた熱さはなく拍子抜けです。
ゆっくりと味わうように咀嚼するも、スープは餡からわずかに滲み出る程度でした。
この餡、かなり美味しい部類に入ると思うのですが、肝心要のスープはどこへやら。
おそらく蒸したてであれば熱いスープがほとばしったと思われるのですが、まとめて
蒸したものを保温しておいたものらしく、スープはすべて皮に吸われていました。
この皮がまた致命的に分厚いので、小龍包というよりは肉包子を食べているようです。
朝の忙しい時間帯ですから作り置きはやむを得ないのかもしれませんが
回転率が高くないようでかなり古いものが周ってきたのかもしれません。
餡のレベルがかなり高いだけに、非常に残念な結果となってしまいました。
-------------------------------------------------
大衆食廊
上海市黄浦区雲南南路17号 (延安東路 x 雲南南路、美食街内)
予算 鮮肉小龍包 3.5RMB
言語 中国語