上海に上陸して以来、いつかは床屋デビューを果たしたいと考えていました。
けど、タクシーに乗ったり、食事の注文をするのとはわけが違いますよね。
日本でも初めて入るお店で、要求と仕上がりが一致しないことは多々あります。
カット内容に関する微妙な要望を、言葉の通じない中国人に説明するのは
かなり無謀な挑戦のような気がするので、今まで躊躇していたんです。
しかし、上海にやってきてから既に1ヶ月。
そろそろツンツンと起たせて誤魔化すのは限界。
いよいよ床屋デビューを果たす日が来たようです。
日本人スタッフがいるお店を探しても良いのですが
郷に入っては郷に従えってことで、近所のお店へ。
大通りに面した大きな美容院はそこそこ客も入っているので
それほど酷いことはないでしょう(予想)。
(;´Д`) 仮に失敗したとしても、ブログのネタになるということで……。
通り過ぎるふりをして内部の様子を伺ったところ、比較的(?)
安全そうなのでくるりと踵を帰して、入り口のドアをくぐりました。
なぜか店員の皆さん、軍用の礼装みたいな格好をしています。
ひょっとしてここはコスプレ美容院か何かなのでしょうか。
肩章とか付いてますし、袖口のラインは階級を表わしているのかも。
やたら人数の多い(軍装風の)店員さんに指でハサミのまねをしながら、
メニューを指差し洗髪、カット、ブローのコース(洗剪吹)を指定します。
価格が10~128元とえらく幅があるのですが、カリスマ美容師でもいるんでしょうか。
どうやら要望だけは伝わったようで、大きな鏡の前に坐らせられると
肩にタオルを乗せた状態で、突然のようにシャンプーが始まります。
注意)中国ではシャンプーはその場。すすぎだけ、流しで行ないます。
シャンプーとマッサージまでやって貰い、気持ちよくなったところで
男性美容師(カリスマ?)のところへ連れていかれました。
いよいよ本番なんですが、もちろん言葉で意志を伝えることはできません。
指でカット幅を指定したり、ハサミのまねをして
このままちょきちょきやっとくれと指示。
(;´Д`) 今まで習ってきた中国語が少しも活かされていません。
幸い、意思の疎通に成功したようで、美容師はハサミを取り出すと
ちょきちょきとかなり大胆にカットを開始しました。
この時点ですでにメガネを取っているので、ぼくにカットの過程は見えません。
まさに出来あがったときのお楽しみということでしょうか。
少しずつ、少しずつ変な頭へと変貌する姿をなす術もなく見守るのと
完成時にまとめて衝撃を受けるのは、どちらが辛いのでしょうか。
時々、何かを訊ねられるのですが何を言っているのか意味不明。
ヘタに指示を出して変な風になるよりは、いっそお任せにしたほうが安全そうなので
何かを聞かれるたびに「任せる、任せる」で通していました。
最後のあたりで染めますかと聞かれたときも、任せると言いそうになってピンチ。
仕上がりの写真はこちら。
切る長さを指定しただけで、あとはすべて美容師に
任せたのが良かったのか、満足行く仕上がり。
値段も全部で30元(450円)と日本価格を考えたら
とってもリーズナブルに済ますことができました。
変な頭にされずに助かったとの思いの裏に、ネタとしては
つまらないなと考える自分がちょっと恐い今日この頃です。