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ようやく念願叶って上海駐在員になれたしゅうの、上海での日々をまったりお伝えします。
by しゅう
 
カテゴリ:観光情報( 199 )
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シルクロードの起点へ (西安旅行)
貴州省での興奮冷めやらぬうちに今度は、陝西省の古都西安を旅することとなった。

西安はシルクロードの起点と呼ばれる街であり、いつの日か訪れてみたいとは考えていた。しかし、それはもうしばらく先のことであり、こんなに早くに実現するとは思ってもみなかったのだ。

西安へ向かう夜行列車:クリックで拡大
飛行機で2時間半の距離も列車なら16時間の長旅だ
今回の旅行の主催はぼくが通う大学だ。午前中は語学留学生、午後からは会社員と二足の草鞋を履くぼくとしては、学校のイベントも大切にしたい。これも授業の一環だと会社側には説明し、有給を使い参加させて貰うことにした。

西安までの交通機関は学生らしく汽車を使う。飛行機でならひとっ飛びの距離も、列車ではそうも行かない。往復で32時間、長い旅となる。

もっともそんな長時間の移動も、大勢の仲間たちといっしょならば意外と苦にならない。車内のそこかしこで酒盛りが行われ、あちらこちらから爆笑が聞こえてくる。ゲームやトランプをしたり、おしゃべりを重ねるうちにあっという間に消灯時間。あとは寝ているうちに西安に到着するだろう。

心地よい振動と初めての街を訪れる期待に包まれて、ぼくらはいつしか眠りに落ちたのだった。
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by sangyuan | 2007-05-10 01:00 | 観光情報
 
ダンス・ダンス・ダンス (多彩貴州風)
今回の貴州省の旅は、パッケージツアーに付き物のがんじがらめ感を感じなかった。

ツアー参加客の大半は常連客であり、旅行社側ともすっかり顔見知りである。基本となるスケジュールは存在するものの、その時々の客の要望などを聞き入れて、柔軟に対応してくれるものであった。気の向いた場所で寄り道できるなんて、なかなか気の利いたツアーである。

歌と踊りのエンターテインメント:クリックで拡大
民族衣装風のきらびやかな装いで歌い舞う魅惑のステージ
そんな我々ツアー客の要望で追加して貰ったのが、少数民族の歌と踊りをベースにしたショウの観覧である。以前にも見られたことがある方が、お薦めですよとの話しをしたところ、それでは皆で行きましょうということになったのだ。

会場は芸術中心劇院という立派なホール。労働節連休中のせいか客席はほぼ満員で、思っていたよりも人気のあるショウのようだった。

内容は歌をメインにしたもの、ダンスをメインにしたもの、そして雑技的な演目も行われた。民族衣装をベースにしたステージ衣装はどれも華やかで、動きにあわせて広がるスカートが花びらのようで美しかった。少数民族の郷土芸能を、見事にエンターテインメントの域にまで高めている。

開演時間が比較的遅い時間からというのも、観光客にとっては嬉しい。貴陽のナイトスポットといえば屋台街くらい。昼間は周辺を観光して周り、夜はこちらのショウに酔いしれるのは如何?

 

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多彩貴州風
種別 大型民族歌舞
住所 貴州省貴陽市富水中路8号 小十字世紀星光影城4F
時間 20:30~22:00
電話 0851-680-0466
予算 280RMB / 220RMB / 150RMB
備考 少数民族の歌舞をベースにした一大エンターテインメント
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by sangyuan | 2007-05-08 01:00 | 観光情報
 
本当の豊かさとは
『天に三日の晴れなし、地に三里の平なし、民に三分の銀なし』と呼ばれる貴州省。

雨や曇りの日が多く、険しい地形が多いため開発も遅れており、中国内でもっとも貧しい地域であると謳った言葉である。実際そこまで酷くはないが、例えとしてはあながち嘘でもないようだ。

元気に遊び回る子供たち:クリックで拡大
村中の子供たちはみんな仲良し
とくに三里の平なしとはいい得て妙で、都市部ですら街の至るところに起伏があり、少し奥地へ入ればそこはもう山ばかりだ。

凱里市から未舗装の山道を約2時間ほど走ったところに、紙漉きと農業を主産業とする苗族の集落がある。川沿いに佇む家々はザッと見たところ30棟くらい。辛うじて電気は通っているものの、ガスも水道もないこんな山奥でも人々はのんびり暮らしていた。

子供たちは外国人(というより村人以外)が珍しいのか、やや警戒しながらも近寄ってくる。ぼくらがカメラを下げているのを見つけ、写真を撮ってくれと要求する。撮ってすぐに見られるデジカメが珍しいらしく、自分たちの写真を見て満面の笑みを浮かべた。

それにしてもこの村では、年頃の男性の姿をひとりとして見かけない。ここだけではなく苗族の村々のほとんどがそうで、目にするのは子供たちと老人ばかり。両親はどこへ行ったのだろう。

ふたり組の女の子に聞いてみたところ、父親は出稼ぎのために広州へ行っているそうだ。村に帰ってくることは年に何度もなく、現金収入を得るために必死で働いているという。父親が居ないのは寂しいけれど、街のお土産を持って帰ってくれるから。そういって、少女は明るく笑うのだった。

屈託のない笑顔:クリックで拡大
心からの笑顔を浮かべる彼らの心は、けして貧しくはない
次に訪れたのは青曼村。ここもまた女子供と老人ばかりだ。主産業は刺繍と農業で、この村の刺繍に惚れ込んだとある日本人が、私財を投じてこの地に刺繍博物館を作ったという。

こんな辺境の地で同胞が関った痕跡を見られたことが、なんだかとても嬉しく誇りに思えた。ぼくの知り合いには私財を投じて、雲南に学校を建てたという人もいる。彼らは本当の金の使い道を心得ている人だと、尊敬して止まない。

金の使い道といえば、今回紹介した村々ではほんの数十年くらい前まで、貨幣という概念がなかったのではないだろうか。もちろんまったくなかったとは思わないが、村内の自給自足と物々交換がほとんどで、現金を必要とする場面はほとんどなかったのではないかと思うのだ。

田畑を耕し、牛を追い、夜は満点の星空を眺めながら眠りにつく。いわゆる物質的な豊かさはなかったかもしれないけれど、ぼくらよりもずっと心は豊かだったのではないだろうか。ところが村に電気が通り、携帯電話も繋がるようになった。便利な暮らしは手に入ったが、その対価を支払うために男たちは街へと出ていく。果たしてそれは、彼らにとってしあわせなことなのだろうか。

西部大開発政策の一環として、今も貴州省や雲南省などに多額の資金が投入されつつある。苗族たちの今の暮らしぶりを見られるのも、あとわずかしかないのかもしれない……。
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by sangyuan | 2007-05-05 01:00 | 観光情報
 
そして、姉妹飯節へ
姉妹飯節は苗族のあいだに伝わる恋のお祭り。

かつて苗族のあいだでは、同姓同士での結婚は禁じられていた。ところが山間の小さな村ではほとんどが同姓。若い娘たちに出会いの機会はほとんどなかったのだ。そこで村の長老たちは考え、娘たちに植物の汁で色を付けたもち米(姉妹飯)を炊き出させ、これを河原に広げて振る舞ったり、歌や踊りを披露するように申しつけた。

娯楽の少ない山村でのこと、この催しはたちまち評判となった。周辺の村々からは噂を聴いた若い男たちが集まり、その場で何組ものカップルが誕生したという。これが姉妹飯節の起源である。

のどかな農村の風景:クリックで拡大
田舎育ちのぼくにとって、どこか心休まる原風景だ
姉妹飯節は凱里市を中心とした苗族の村々でばらばらの時期に行われるが、その中でも旧暦の3月15日~17日にかけて施洞と呼ばれる集落で行われるものが、おそらく最大であろう。

凱里から施洞鎮まではバスに揺られて約1時間。棚田の広がる光景を越え、緩やかに流れる揚子江の支流が左手に見えてきたらもうすぐ。地図はここで行き止まり、まさに最果ての村だ。

ようやくたどり着いた施洞では、そこかしこで刺繍や銀の装飾品が並べられ、食べ物の屋台もいくつか立っていた。観光客の姿もちらほら見られ、街の人たちもそわそわと浮き足立っているようだ。祭の前の雰囲気とはこんな感じなのだろうか。のどかな村が沸き立つ瞬間が迫っている。

民宿のような場所で素朴な農家菜をご馳走になり、いよいよ祭の会場となる広場へ向かう。何時からスタートといった取り決めはないそうで、三々五々人たちが集まってくる。広場中央では小気味良いリズムで太鼓が叩かれ、その周りを銀装の少女たちが軽やかに舞っていた。

いざ踊りの場へ:クリックで拡大
やや緊張した面持ちの少女
郎徳村で見たような華やかさはないけれど、これが本来の姿なのだろう。少女たちの表情に笑顔は見られず、どこか緊張した面持ちだ。それもそのはず、現在ではその意義が薄れたとはいえ、この祭は彼女たちの未来の花婿探しであり、一種の成人式でもあるのだ。ぼくら観光客が思う以上に重要な意味を持っている。

単調な太鼓のリズムと、少女たちの動きにあわせて鳴るしゃらしゃらという音を聞きながら、ぼくはそっと祭の会場をあとにした。

村内を抜け、村の外へ通じる道を歩いていると、多くの少女たちが集まってくるのが目に入った。銀装は全部で10~20キロ程度、祭のピークは涼しくなる夕方から日没にかけてとなる。

彼女らは徒歩で、あるいはで村までやってきて、現地で銀装を身に付けて踊りの輪に加わっていく。夜にはかがり火が焚かれ、その光が少女たちの纏う衣装に映りこんで大そう美しいと聞く。

今回は時間の都合でそれらを見ることなくこの地を去ることとなったが、いつの日かかならず、ゆっくりと村に留まって祭の全貌を見届けたいと思う。願わくばその時まで、この豊かな自然と素朴な暮らしが失われていないことを切に願うのであった。
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by sangyuan | 2007-05-04 01:00 | 観光情報
 
明代の末裔たち (屯堡天龍鎮)
中国の悠久の歴史の中で、各時代の王朝は征伐という名の侵略戦争をくり返してきた。

広大な大陸にある小さな国々は統廃合をくり返してきたが、名前は変われど民族としての習俗はそう簡単に変わるものではない。その結果、中国にはじつに55もの少数民族が暮らすという。

三人の老婆:クリックで拡大
伝統的な衣装に身を包む老婆たち
貴州省に暮らす苗族についてはすでに紹介したが、それ以外にも多くの少数民族たちが彼の地に住まう。55の少数民族のうち48種が貴州に暮らすというから、その民族の多様性には驚かされるばかりだ。彼らは今も自らの風俗を世に伝えているのだ。

省都貴陽から西へ約1時間少しいったところに、天龍古鎮と呼ばれる小さな集落がある。ここに明代の習俗を今に伝える屯堡人と呼ばれる人々が暮らしており、自らを称して老漢族と名乗る。

明の時代。初代皇帝の朱元璋は西方の雲南にある対抗勢力を討伐するため、30万もの軍隊を南京より派遣した。彼らは討伐後も治安維持と監視のため、この辺りに駐屯を続けたという。

それから600年もの永きに渡り彼らはこの地に留まったが、自分たちは皇帝の軍隊であるという誇りを持ち、じつに1960年代まで他民族と交流を行なうことなく生きてきたという。そのため、この地には明代の漢族の風習文化が色濃く残っており、当時を今に伝える貴重な存在なのだ。

木材の少ないこの地では多くの建物は石造りであり、狭い路地のひとつひとつが明の時代から残っているものだという。女性たちは今も民族衣装に身を包んでおり、灰色の光景の中に鮮やかな青い衣装が美しかった。今は観光化された村だが、比較的ありのままを見せてくれる。

服装や言語などの習俗とともに現代に伝えられているのが、地劇と呼ばれる仮面劇である。

屯堡天龍鎮の地劇:クリックで拡大
原初のリズムに乗って仮面の男たちが舞い踊る
地劇は跳神とも呼ばれ、一種の神楽舞のようなものだ。通常は高い舞台の上ではなく地面で踊ることから地劇と呼ばれるが、今回は観光向けのせいか正面の舞台上にて行われるようだ。

まずは雰囲気のある老人が長々と口上を述べるのだが、残念ながら聴きとることはできない。

やがて単調な太鼓のリズムに乗って、仮面を付けた男たちが舞台に飛びだす。ひらりひらりと舞いながら、剣や槍を打ち合わせる闘いの模様を描いていた。同じものを以前にどこかで見たことがあると思ったら、映画『単騎、千里を走る』の作中にて紹介されていたものだった。

原始的で魂に訴えかけるような舞いだが、残念ながら年々踊り手は減っているという。街の女性たちもまた今でも民族衣装に身を包んで生活をしているが、若者たちは徐々に旧い衣装を脱ぎ捨てて洋装へと変わりつつあるという。長く伝えられた習俗が今、失われようとしているのだ。

便利な現代の暮らしを享受することを禁ずるつもりはないが、願わくばこれまで脈々と受け継がれてきた風俗の炎を絶やさないでいて欲しいと、願わずにはいられないのであった。
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by sangyuan | 2007-05-03 01:00 | 観光情報
 
貴州省の自然に遊ぶ (黄果樹風景区)
貴州省は多くの少数民族が暮らす土地だが、それ以外にも豊かな自然は見どころのひとつだ。

州都貴陽からクルマで1時間半ほど走ると、黄果樹景観区と呼ばれる地域がある。この付近は溶岩性カルストで起伏に富み、多くの滝や鍾乳洞など自然の生み出す奇観を目にできるのだ。

黄果樹瀑布:クリックで拡大
幾重にも流れ落ちる滝からはしぶき舞う迫力の光景
黄果樹瀑布は黄果樹景観区の中心ともいえる滝で、落差は74メートル、幅81メートルを誇るアジア最大の瀑布だという。イグアスやナイアガラなど世界的に有名なものに比べて迫力に乏しいが、とある特徴を持っているという。

じつは滝の裏側に平行して走る洞窟があり、6つの窓のよう開口部を通して、裏側の至近距離から、瀑布を通した風景を眺めることができる。

洞内は滴り落ちる水滴と、瀑布からのしぶきで意外と濡れる。冬場などは寒そうだが、逆に夏場であればさぞ心地よい空間となるのではないだろうか。かなりの人出なのでゆっくり立ち止まって見学することはできないが、大きな音を立てて流れ落ちる水のカーテンを堪能することができた。

黄果樹景観区では黄果樹を含めて、地表に出ているものだけでも18の滝があるという。それぞれ違った表情を見せてくれる、大小様々な滝を思うが儘に堪能してみるのもよいだろう。

龍宮鍾乳洞:クリックで拡大
極彩色のライトアップが中国らしい
滝の他にも外せないのが、風景区各所に散らばる鍾乳洞だ。鍾乳洞大好きなぼくとしてはすべてを観てまわりたいが、その中でもとくにお薦めしたいのが龍宮の鍾乳洞である。

鍾乳洞に地底湖や地底川は付き物だが、こちらの洞窟は底面すべてが深い川となっている。見学者は小舟に乗り込んで、この地底川をさかのぼりながら洞内を探検することができる。

洞内は赤や緑の極彩色でライトアップされており、如何にも中国らしい。これらの照明が湖水にも移り込み、なんとも神秘的な様子を醸し出している。人工的な灯の下、乗り物で洞内を巡るという発想が、テーマパークのアトラクションのようで興味深かった。

風景区にはこの他にも少数民族の村や、水上桂林、ラフティングなどのアクティビティを楽しむこともできる。今回は日帰りの短期滞在だったが、もしまた彼の地を訪れることがあれば、他の観光名所も周ってみたいものである。貴州省の豊かな自然、これからも残していって欲しいものだ。
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by sangyuan | 2007-05-02 01:00 | 観光情報
 
貴州省に苗族を訪ねて
初めて苗族の存在を知ったのは、上海博物館だったろうか。

その細緻な銀細工と刺繍に彩られた美しい民族衣装に、すっかり心を奪われてしまった。彼らについて紐解くうちに、姉妹飯節という苗族の祭りのことを知る。それは村々で行われる恋のお祭り。昔ながらの風習を今に伝えるその祭事を、いつかこの目で見たいとずっと夢見ていたのだ。

2007年5月。労働節休暇を利用してその想いを叶えるべく、苗族が暮らす貴州省を訪れた。

老人たちが出迎えてくれた:クリックで拡大
歓迎の蘆笙を吹き鳴らす老人たち
上海から貴州省の省都である貴陽までは空路で約2時間半。そこから高速道を2時間半ほど走ると、凱里という小都市にたどり着く。ここからは一般道のみとなり山道をさらに1時間ほど走ると、今回の目的地である郎徳村へと到着できる。

村の入り口にバスが到着すると爆竹が盛大に打ち鳴らされ、家々から美しい衣装で着飾った女性たちが出迎えに登場する。

村の門までは石段になっており、ところどころで女性たちが立っている。ここを通過するためには彼女たちが差し出す地酒を飲み干さねばならず、全部で12ヶ所の関門で14~5杯は飲まされることとなった。度数は約28度、これがあとになって効いてくる。

ほろ酔い気分のまま木造家屋のあいだを縫って、村の中央にある広場へと案内された。ここで苗族の歓迎の儀式が執り行われるのだという。広場中央には一本の柱が立ち、それを取り囲むように大勢の観光客たちが今か今かと待ち構えていた。

やがて地を這うような太鼓のリズムに、軽やかな蘆笙の音が重なり、銀装に身を包んだ娘たちが広場へと躍り出た。銀飾りの触れ合うしゃらしゃらとした音と、女性たちの歌声が耳に心地よい。

銀装の少女たちが舞い踊る:クリックで拡大
しゃらしゃらと心地よい音を立て、銀装の少女たちが舞う
踊りが一段落すると、娘たちはどこからともなく杯を取り出す。嫌な予感とともに杯には地酒が注がれ、再び米酒を飲まされることとなった。

客人たちに歓迎の酒を振る舞ったあとは、再び踊りが始まる。途中、まだ小さな子供たちによる舞いや、老人たちの蘆笙の演奏、最後は村人総出で客人もいっしょになって、輪を描くように広場で踊り、歓迎の儀式は盛大に幕を閉じた。

歓迎の儀が終わると、村人たちは売り子へと豹変する。基本的には自給自足の村、現金収入はこういった観光収入のみとなる。とくに郎徳村は入場料を取るくらい観光化されている場所であり、所々に商業主義的な匂いが鼻についた。ただ、そうさせたのは我々観光客なのだろう。

かつて村への旅人は数少なく、もともと娯楽に乏しい山村だけに、客人は村総出で歓迎を行っていたことだろう。だが、今現在の歓迎の儀は我々の持つ現金を歓迎しているのだ。そう考えると少し寂しい気もするけれど、上海ほどガツガツしているわけではなく、のんびりとしたムードが漂っていたのが救いだろうか。いつか金銭の絡まない、心からの歓迎を受けてみたいものである。
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by sangyuan | 2007-05-01 01:00 | 観光情報
 
友とゆく水郷の旅 (西塘鎮)
夜の灯火に照らされた幻想的な雰囲気から一転、昼間の西塘はまた別の表情を見せてくれる。

夜の闇に覆い隠されていた汚いものといっしょに姿を見せるのは、街の各所で見られる生活感だった。観光地、とはいってもそこは住民たちが暮らす街でもある。川べりで洗濯する人、昼間からトランプに興じる人、窓をのぞき込めば住民の食事風景を間近に目にすることもできる。

運河を渡る船:クリックで拡大
たゆたう小舟が郷愁を誘う
西塘には路地が122本もあるという。観光客が行き交う表通りから一歩路地裏に踏み込めば、そこはもう住民たちの生活域だ。薄汚れた犬が歩き回り、子供を背負ったおばさんが立ち話を楽しむ。むせ返るような生活の匂いが、この街を彩っていた。

廊棚と呼ばれる木製の屋根がついた回廊を通って、あてのないまま古鎮内をぶらぶらと散策する。映画『ミッション・インポッシブル3』の公開以降、急に観光客が増えたという西塘。そこで見かける人たちも様々で川辺で食事をする人、熱心に写真を撮る人、両手いっぱいに食べ物を持って歩いている人などを見ているだけでも面白かった。水路上には観光用の渡し舟も多く、こちらから手を振ると乗客たちは笑顔で振り返してくれた。

旅の楽しみといえば食べることにもある。じっくりと景観を楽しんだあとは、西塘の街を食べ尽くすべくあちらこちらをひやかして歩く。西塘では蓮の葉で包んだ豚肉と黍を蒸したものや、チマキ、半生の味付け豆、麦芽糖を使った餅など、様々な小吃を楽しむことができた。

トム・クルーズ氏と記念撮影
川辺にてトム(写真)といっしょに記念撮影
ランチは川沿いに立つ、農家菜(田舎料理)の店にて。飾り気や奇を衒った料理はないが、野菜などの素材がよいのか味は悪くない。ただし混雑のせいか対応は今ひとつなのが残念だ。

食後は観光用の小舟に乗り、少し違った視点で街の風景を楽しもう。ギィギィという櫂の音と、川面を渡る春の風が心地よい。運河を進む船と同じくらい、ゆっくりと時間が流れていった。

水郷なんてどこに行っても同じだという人もいる。もちろん同じような部分が多いのもたしかではあるが、それでも街それぞれの個性みたいなものがある。なにより気の合う仲間たちと訪れるならどこでだって楽しめてしまう。そんな風に感じさせてくれた、楽しい旅であった。

 

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西塘鎮
住所 浙江省嘉興市嘉善県西塘鎮
電話 0573-4564161 (浙江西塘旅遊文化発展有限公司)
交通 上海より約90キロ。旅遊集散中心より観光ツアーあり。
入場 60RMB (夕方17時以降は入場無料:要確認)
備考 映画『ミッションインポッシブル3』ロケ地
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by sangyuan | 2007-04-09 01:00 | 観光情報
 
別世界での出来事 (西塘鎮)
海寧から西塘へ向かうため、列車と白タクを乗り継ぐこととなった。

本来は海寧から出ている直行バスを利用する予定だったのだが、予め調べておいたバスセンターは移転したそうで影も形もなかった。移転先に移動するにも時間が足りなかったため、まずはチマキで有名な嘉興まで列車で移動して、そこから白タクをチャーターして西塘を目指す。

川辺で酒を嗜む:クリックで拡大
夜の闇は汚いものを覆い隠し、美しい光と影を織り成していく
紆余曲折を経てたどり着いた西塘は、江南地方特有の水郷の町だ。街の中を縦横無尽に水路が走り、明・清代の古い建物が今も変わらず軒を並べる、非常に趣深い古鎮である。

通常は11ヶ所の景区入場券がセットとなった門票を購入する必要があるが、夕方以降は無料にて中に入ることができる。帰りの時間を気にしないでよいなら、夜の西塘を楽しみたい。

上海からなら本来は日帰りで訪れる場所だが、我々も西塘の夜景を楽しむために古鎮内に宿を取っていた。ところがチェックインを行うために民宿に連絡を取ったところ、我々の部屋はすでにキャンセルしたと告げられ驚かされた。曰く、何度か確認の電話を入れたのだが繋がらなかったので、キャンセル待ちの客に部屋を明け渡してしまったのだという。

連絡もなにも着信履歴などはいっさい残っていないから、宿側が電話番号を聞き間違えていたというのが事の真相だろう。とはいえ今さら文句をいったところで別の部屋があるわけもなく、我々は一瞬にして宿なしとなってしまい、このままでは野宿を余儀なくされることとなった。

ほの明かりに照らされた路地:クリックで拡大
薄暗い路地は夢の中のようだ
幸い、宿側もさすがに不憫に思ったのか、あちこち連絡を取って空き部屋を探してくれ、古鎮の外ではあるが街一番だというホテルのスイートを特別価格で借りることができた。まさかこの歳にもなって男女7人、雑魚寝を経験するとは思わなかったが、何だか学生時代に戻ったようで思ったよりも楽しかった。

どうにか宿を確保したぼくらは荷物を置いて、夜の西塘観光に乗り出した。夜の水郷を訪れるのは初めてだが、なかなか風情があってよいものだと思う。水郷の水は黒く澱んでいるのが普通だが、夜の帳が落ちる頃には街の光を映してキラキラと輝き出す。汚いものは姿を隠し、陰影が織り成す幻想的な雰囲気へと変わっていく。それはまるで夢の中の風景のようであった。

蝋燭を乗せた紙製の小舟が浮かぶ水路を横目に見ながら、柔らかな光に包まれる廊棚(屋根のついた回廊)を進む。街全体を包み込むノスタルジックな空気が心地よくて、ぼくらはあてもなく古鎮内を彷徨った。その夜は時間の流れすらもゆるやかで、せわしない上海とは別の世界の出来事のようであった。

 

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西塘鎮
住所 浙江省嘉興市嘉善県西塘鎮
電話 0573-4564161 (浙江西塘旅遊文化発展有限公司)
交通 上海より約90キロ。旅遊集散中心より観光ツアーあり。
入場 60RMB (夕方17時以降は入場無料:要確認)
備考 映画『ミッションインポッシブル3』ロケ地
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by sangyuan | 2007-04-08 01:00 | 観光情報
 
苗族の恋のお祭りへ (姉妹飯節)
労働節まで1ヶ月を切ったわけだが、読者諸氏はもう予定は決まっているだろうか。

我が家の今年のテーマはズバリ(中国)国内旅行だ。昨年の長期連休は混雑を嫌って海外へと脱出していたが、国内にもチベットや内モンゴル、雲南など行ってみたい場所はたくさんある。人が多いからと敬遠していては、いつまで経っても他の地域を訪れることはできそうにない。せっかく中国に住んでいるのだし、今年は積極的に国内各所を旅して周りたいと考えているのだ。

姉妹飯(イメージ図)
きらびやかな銀装の乙女たちが舞う恋のお祭り
さて、今年の労働節は貴州省へ行こうと思っている。山間に暮らす少数民族である苗(ミャオ)族のお祭り、姉妹飯節の見学が目的だ。

かつて上海博物館を訪れたときに、苗族のきらびやかな民族衣装に魅せられた。のちにhu-ismというフリーペーパー(現在は廃刊)の特集記事で、姉妹飯節という恋のお祭りを知って以来、いつかは訪れたい場所のひとつであった。

しかし、姉妹飯節は旧暦の3月15日~17日にかけて行われるので、通常は連休を利用して見学に訪れることはできない。ところが今年は閏月の関係で、ちょうど労働節に重なって開催されるという。おそらくこのチャンスを逃しては、訪れることは難しいのではないだろうか。

もし労働節の予定がまだ決まっておらず、姉妹飯に興味を持ったあなたは今からでも問い合せてみては如何だろうか。きっと忘れられない旅になるような気がする。労働節が楽しみである。
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by sangyuan | 2007-04-03 01:00 | 観光情報


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