たまにはご馳走でも食べようと、1年ぶりに
天ぷら料亭の花樂を訪れた。
花樂は大阪にある老舗料亭『一宝』の五代目が、日本文化を世界に広めようと築き上げた場所。味はもとより、その空間作りやサービスも一流の特別な店なのだ。ぼくみたいな若輩者がおいそれと訪れることのできぬ老舗の味が、ここ上海ではリーズナブルに楽しむことができるのである。
肉厚の鯖はほどよく酢が効き、上海ではトップレベルの旨さ
前回往訪時に不満を感じたのが、コースに余計な料理が多いことだ。先付け、前菜、造りなどと続き、ようやく天ぷらと対面できる。他の料理もそこそこ旨いが、天ぷらに比べ一段劣る気がするのだ。中途半端を提供されるくらいなら、天ぷらのみを楽しみたいと感じていたのである。
そんな願いが通じたのか、前菜以外は天ぷら通しのコースができていたのは嬉しかった。
ところがそんな天ぷらコースは、残念ながら油っこさが鼻についた。前回は料理長の関氏自らが揚げてくれた『油を感じない』天ぷらだったが、今回は他の調理師が揚げたせいかやや重く感じたのだ。それでも上海ではピカ一なのだが、前回のそれが神懸っていただけに残念であった。
逆に感心したのが自宅用に購入した鯖ずしで、これが大そう旨かった。巻き簀を解くと、中からは薄い昆布で包まれた美しい鯖が姿を現わす。鯖と酢飯のバランスもよく、一般的な押し寿司よりも柔らかなシャリが口中でホロリとほぐれる。酢もちょうどよい加減で、思わず笑顔がこぼれた。
やや残念な部分も目についたが、それも要求レベルが高いからこそだ。上海でこれだけの期待をかけられる店は、そう多くはないだろう。今後もどうか、ぼくの我が侭に応えて欲しい店である。
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天ぷら料亭 花樂
種別 日本料理(天ぷら料亭)
住所 上海市徐匯区斜土路2421号 4号楼 (斜土路 x 宛平南路、交差点付近)
営業 11:00~13:30(L.O.) / 17:00~21:30(L.O.)
電話 021-6438-3822
交通 地鉄1号 徐家匯 / 公交 斜土路(44,50,303,864路)ほか
予算 260,350,490RMB(昼) / 300,490,690,890,1200RMB(夜) / 鯖ずし 160RMB
言語 日本語 / 中国語 / 英語
菜単 日本語 / 中国語 / 英語 / 写真なし
備考 天ぷらの調理は料理長を指名したい