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ようやく念願叶って上海駐在員になれたしゅうの、上海での日々をまったりお伝えします。
by しゅう
 
クズルガハの烽火台と千仏洞
古代の通信方法、とりわけ戦争など火急を要する場合には狼煙(のろし)が使われた。

現代であれば通信衛星などを介して、地球の裏側とでもほぼリアルタイムに会話することができるだろう。ところが古代では伝令役が実際に目的地まで走って、情報を伝達する必要があった。これではどうしても時間がかかってしまうので、発明されたのが狼煙を使った通信方法なのだ。

クズルガハ烽火台:クリックで拡大
悲しい伝説を持つ烽火台
例えば亀茲国の国境付近には、外敵の侵入に備えて数キロから数十キロごとに見張り台が設置されていた。見張り役は敵軍の姿を確認すると、それを知らせる狼煙を上げる。それを見た隣の見張り台でも同様の狼煙を上げ、リレー形式で軍の司令部へと敵襲が伝わるのである。原始的ながら効率のよいシステムだ。

そんな当時の通信システムの遺跡の中でも新疆地区最大として知られるのが、クズルガハ烽火台である。広大な岩石砂漠を縫うように流れる塩水渓谷は当時の通商路でもあり、そこを見下ろす形で烽火台が建っている。およそ2千年前に建てられたもので、建造時には高さ17.8メートルあったそうだ。悠久の時間により風化が進行しており、現存しているのは13.5メートルのみとなる。

この烽火台には、その名に由来する悲しい伝説がある。クズルガハとはウイグル語で赤い関所を意味するが、それ以外に娘が留まる場所との意味も持つ。亀茲国王は晩年、念願の娘を授かった。ところが占い師に娘を見せたところ、100日以内にサソリに刺されて死ぬと告げられた。

占いを信じた王は高い塔を築き、その頂上に娘を隠した。塔に匿われた娘は無事に99日を過ごしたが、100日目の祝いにと贈られた籠にサソリが紛れ込んでおり、彼女はあえなく死んでしまった。それを知った王は嘆き哀しみ、塔の下に身を投げ出して「娘よ、留まれ」と叫んだという。

前述の千泪泉もそうであるが、亀茲国にまつわる伝説はどれも悲しい憂いを帯びているようだ。

広大な川底は通り道となる:クリックで拡大   壁面にある千仏洞:クリックで拡大   クズルガハ千仏洞の遠景:クリックで拡大
左:塩水渓谷は玄奘三蔵も通った道  中:壁面に同化するように掘られた石窟  右:管理人の老人がひとりで住んでいる

烽火台から10分ほど走った渓谷に、クズルガハ千仏洞がある。漢の時代から唐代にかけて合計46窟が掘られたそうだが、残念ながらそのほとんどは破損が著しく封鎖されたままだ。破損の理由は異教徒の侵入、外国の探検隊による掠奪、そして地震などの自然災害によるものだという。

ひんやりとした洞内は色とりどりの壁画で飾られていたと思われるが、ベゼクリクやキジル千仏洞と同じく破壊の跡が著しい。自然災害は仕方のないことだけれど、その他は同じ人間の手によるものだと思うと悲しくなる。なぜ時代の波は時として、人を破壊者に仕立て上げてしまうのか。

顔をえぐられたり塗りつぶされた仏画を見るたびに、いいようのない切なさを感じるのであった。
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by sangyuan | 2007-10-30 01:00 | 観光情報
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