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ようやく念願叶って上海駐在員になれたしゅうの、上海での日々をまったりお伝えします。
by しゅう
 
神々の棲む場所へ その1
目の前に広がる壮大な風景に、ぼくは言葉を失った。

陽光を受けてキラキラと輝く湖面の向こうには、白い雪を戴いたムスタグ・アダ山(7546メートル)がそびえ立っている。左手に目をやればコングル山(7719メートル)もはっきりと目にすることができた。嘘か真か、両山がこんなに鮮やかに見えるのは、このシーズンでは初めてだという。

ちっぽけな島国では望むべくもない風景に、ぼくは恐怖にも似た神々しさを感じたのであった。

カラクリ湖:クリックで拡大

シルクロードの旅3日目は、パキスタンとの国境付近にあるカラクリ湖を訪れた。

北京時間で午前9時。ようやく明るくなり始めたカシュガルを出発して、カラコルムハイウェイ(中パ公路)を西へと向かう。以前はそこかしこが工事中で砂利道も多く、片道で6時間はかかっていたそうだが、現在ではすっかり整備されたハイウェイのおかげで4時間程度の道程である。

ハイウェイとはいってもポプラ並木の一般道であり、バスの傍らをロバ車が走り抜けたり、羊の群れが横切るのを待って立ち往生するようなのんびりとした道路だ。そんな中パ公路を40分ほど走ると、ウイグル族たちが暮らすウーパール村へとたどり着いた。ここで若干の休憩となる。

ナンを焼く青年:クリックで拡大
焼きたてアツアツのナンは素朴な味
道の両側には果物羊肉の屋台が並び、さながらバザールのような活気がある。その奥ではウイグルナンを焼く釜があり、焼きたてアツアツのナンがとても香ばしい香りを放っている。

旅のおやつにと買い求めたそれは、素朴な塩味にほんのりスパイスが効いていて旨い。別の屋台にて試食させて貰ったハミ瓜も、上海で食べるものよりジューシーでずっと甘かった。

ウーパール村を越えて荒野を少し進むと、バスはタリム盆地から崑崙山脈へと分け入っていく。山脈からの雪解け水が流れるガイズ川の渓谷に沿って、これから3,600メートルの高みを目指すのだ。ガイズとはウイグル語で灰色を指すそうだが、なるほど川の流れは灰色に濁っていた。

ここからの景色は変化に富み、目まぐるしく変わる車窓は見ていて飽きなかった。赤い岩肌の山岳地帯を抜け、険しい山道を少しずつ上っていくと、やがて前方に白い頂が見えてくる。山肌に付けられた細い道がシルクロードの跡だと聞き、当時の旅の困難さに想いを馳せるのだった。
Blogger@上海(B@SH) "ランキング上位に上海を"-
by sangyuan | 2007-10-10 01:00 | 観光情報
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