丑の日に鰻を食べる習慣は、エレキテルでお馴染み平賀源内が発案したという説が一般的だ。
じつのところ丑の日に食べるのは鰻に限らず、「う」がつくものならなんでもよいとされる。つまり梅干しやうまい棒でもよいわけだが、やはり夏の暑さを乗り切るならば、脂したたるような鰻が相応しいように思う。実際、ビタミンB類を豊富に含む鰻は、夏バテ防止の理にかなっているようだ。
関東風のフワッとした鰻はなかなか旨いと思うのだが……
ぼくの場合は夏でも食欲は衰えることなく、夏バテなどとは無縁ではあるが、季節の行事食は食べておこうと、
鰻の大和田を訪れた。
東京の老舗、大和田で20年に渡り修行していたという店主が上海に出した店で、今回訪れたのは近頃静安寺近くにオープンした2号店だ。鰻料理がメインだが、それ以外にも鍋物からカレーライスまで幅広いメニューを用意している。
鰻重をメインに、うざくやう巻きなど鰻尽くしのメニューをオーダー。本店でも感じたことだが、うざくは酢がきいておらず物足りない。う巻きは味付けは悪くないのだが、ちょっと玉子が固すぎるように思えた。パリパリに揚げた骨せんべいはなかなか美味で、ビールのつまみに最適だろう。
やがて運ばれてきた鰻重の蓋を取ると、フワリと香りが舞い上がる。強めに焼き色をつけた柔らかい鰻は、タレも含めて結構旨い。ただ、ヒレの処理が甘いのか骨っぽく、ごはんが不味いのがマイナスポイント。米の悪さを誤魔化すためか、大量にかけられたタレでべちゃべちゃだった。
鰻重は鰻がメインなのは間違いないが、助演がいてこそ主役も輝くと肝に銘じて欲しいものだ。
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東京老舗 大和田 鰻屋(静安寺店)
種別 日本料理(鰻料理、総合)
住所 上海市静安区鳥魯木齋北路191号 (鳥魯木齋北路 x 愚園支路、交差点を東)
営業 11:00~23:30
電話 021-6248-8830
交通 地鉄2号 静安寺 徒歩10分 / 公交 鳥魯木齋北路(20,138,825,921,939路)ほか
予算 鰻重(松) 98RMB / うざく 45RMB / う巻き 45RMB / 骨せんべい 15RMB
言語 日本語 / 中国語
菜単 日本語 / 中国語 / 写真あり(一部)
備考 東京の老舗より暖簾分けの上海2号店