永きに渡る中国の統治や、仏の植民地支配にもめげずベトナムは独自の食文化を育んできた。
世界三大料理のうちの二つから強い影響を受けつつも、オリジナリティを保ったベトナム料理は
そのやさしい味や、二大料理の特徴を上手く活かしていることから世界料理の女王と呼ばれる。
東南アジア料理独特のクセが少なく、野菜たっぷりのヘルシー料理は、世界中にファンも多い。
そんなベトナム料理を中心に、新鮮な魚介を使う地中海料理や、本格的洋菓子を楽しめるのが
巨鹿路沿いのフランス租界時代の大邸宅を改装した F.C.C.(Foreign Culture Club)である。
仏式の庭園内には多くのレストランが並ぶが、ガラス張りの明るいテラスを持つ洋館が目印だ。
洋館内部は4つの店舗に別れているが、日中は1階部分の The Terrace のみが利用可能。
こちらランチタイムにはパスタやサンド、サラダなどの軽食類を供し、夜は地中海料理となる。
また CLUB VIETNAM の料理もオーダーできるので、西・越南の折衷で楽しむことも可能。
上階部分は東南アジアの雰囲気に、モダンテイストを見事に融合させた CLUB VIETNAM だ。
いくつもの個室に小分けされた店内は、目的に応じて好みの部屋をチョイスすることができる。
効果的に配されたアジアン雑貨やムーディな照明で、気分はたちまちアジアン・リゾートだ。
他にパティスリーやバーも併設するが、これらは同系列店なので柔軟に組合わせて利用できる。
客層は主に欧米系を意識しているようで値段が高いのが難点だが、料理はまずまず及第点だ。
フォーのスープは本国で食べるものよりかなり濃い目だが、滋味深い味でつい飲み干したくなる。
蒸籠の中から出てきた蓮の葉を開くと、中から蓮の実を散らしたごはんが出てくるのも楽しい。
じつは今回驚かされたのは料理よりも食後のデザートで、1階のパティスリーにてチョイスする。
たっぷりのいちごを奢ったタルトは、シンプルながらも丁寧な仕事ぶりを感じさせてくれる一品。
贅沢にショコラを使ったケーキは、濃厚そうな見た目に反して上品な甘さで、感涙ものである。
それほど数多く食べ歩いたわけではないが、今までに上海で食べたどの店よりも旨いと思う。
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F.C.C. - CLUB VIETNAM / The Terrace / Patisserie / H20 bar
住所 上海市静安区巨鹿路889号11-12号楼 (巨鹿路 x 奉賢路、梅龍鎮裏手)
営業 11:00~25:00
電話 021-6445-8082
予算 316RMB(2名:料理4品、デザート2品、紅茶)
交通 地鉄 静安寺 / 公交 華山路(40,45,94,99,133,148,548,824,830,927路)ほか
言語 中国語 / 英語
菜単 中国語 / 英語 / 写真なし
備考 土日はブランチコースあり / 昼間は1階のみ / 19時以降パティスリーは全品半額