上海の水産市場ではスッポンも扱っているが、これを出す和食の店は見かけないように思う。
日本では高級な料理に分類されるスッポンだが、こちらでは驚くほど安価で手に入れられる。
だのに、それを使ってまる鍋などのスッポン料理を出そうというお店がないのは何故なのか。
たしかに造りや生き血などは寄生虫などのリスクが高そうだが、加熱調理なら大丈夫だろう。
100~150元くらいで、まる鍋を含むスッポン尽くしのコースとかあれば、流行りそうなのだが。
ひょっとしたら同じに見えて違う種別なのかもしれないが、そこはローカル版扱いでもOKだ。
誰か事業として始めようという方がいらっしゃれば、陰ながら応援させていただきたいものだ。
先日、第五回海鮮まつりが開催されたわけだが、この日のテーマはずばりスッポンだった。
別に初めから決めていたわけではないのだけれど、市場にてぼくの独断で決めさせて頂いた。
いつも同じ食材ではつまらぬので変化をつけたいのだが、冬になったのに新しい食材がない。
日本なら春には春の、冬なら冬の旬が並ぶはずなのに、意外と代わり映えしないのは残念だ。
そこで以前から目をつけていたものの、反発が強いであろうと避けていたスッポンをチョイス。
顔をしかめるものがいたのもたしかだが、思ったよりも抵抗なく採用されたので2匹を購入。
気になる値段はたった60元と、日本でスッポンを食べるのが莫迦らしくなるような値段だった。
エビやシャコなどの定番食材や、pollyさんが持ち込んでくれたハマチの刺し身に舌鼓を打つ。
やがて甘辛い紅焼風に味付けされたぶつ切りのスッポンが登場し、俄に会場はざわめき立った。
よく見れば頭や手足も原形を留めており、ちょっと見はなかなかにグロテスクな料理と目に映る。
しかしその肉はなんとも典雅で奥深い味わいで、濃厚な味付けが勿体なく思えるほどであった。
続くスッポンのスープはコラーゲンたっぷりで、とろプルのゼラチン質が口蓋を優しく愛撫する。
ただ、こちらも味付けがかなり濃いので、滋味深いスッポンのダシを味わうには不適切だった。
中華で食べるスッポンも悪くはないのだけれど、やはり和食店にて味わってみたいなと思う。
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水産市場 de デート (第五回)
日時 2006/12/10 16:00~21:00
住所 上海市普陀区銅川路 銅川水産市場 (大渡河路と曹楊路間一帯)
予算 100RMB/人 (材料費、調理代、ビール代などを含む)