海ぶどうをご存知だろうか。
正式名はクビレヅタという海草で、俗称として海ぶどうやグリーンキャビアなどの名で呼ばれる。
ぶどうのように小さな粒が房状になっており、ぷちぷちとした食感が楽しい沖縄県の特産品だ。
鮮度保持が難しく、かつては現地でしか食えぬ珍味であったが、近頃は本州でも入手可能だ。
新鮮な海ぶどうを軽く水洗いしたのち、食感を出すためにこおり水で締めて、食卓へと乗せる。
三杯酢など好みのタレを付け口中に放り込めば、独特の食感とともに海の香りが広がるのだ。
そんな海ぶどうを上海で、しかも生きたままを喰えると聞いて、延安西路沿いの藍屋を訪れた。
藍屋は沖縄、長崎の家庭料理が楽しめる居酒屋で、以前は茂名のBarストリートにあった店だ。
店内に入って最初に目につくのが、カウンターの上に所狭しと並べられた旨そうな惣菜の数々。
そして、その後ろにはこの店の売りである豊富な種類の泡盛や焼酎などが、棚いっぱいに並ぶ。
森伊蔵、魔王など日本でも入手困難なプレミアム焼酎が、ここ上海にてお目にかかれるのだ。
生きたまま喰えるという自慢の海ぶどうも、カウンター上の水槽でゆらゆらと揺れ動いていた。
鮮やかなグリーンに輝くそれを取り出し、さっと洗っただけで供された皿に思わず笑顔になる。
噛み締めるとぷちぷちとした食感とともに、口中に沖縄の美ら海(ちゅらうみ)が現出するのだ。
今回気に入ったのが沖縄や九州ではメジャーな豚足で、トロトロに煮込んだあと軽く焙ってある。
大きな塊にかぶり付くとパリッとした食感のあと、口の中でサッとほぐれるような柔らかさだった。
酸味の効いたかけダレがまた絶妙で、ともすれば脂っぽくなりそうな口をさっぱりと洗い流した。
付きだしの酢の物やおすすめの鶏南蛮も酢がよく効いており、ぼくの好みにとてもあっている。
極上の焼酎を旨い肴で楽しんだあとは、皿うどんやタコライスなどの多様な主食類で締めよう。
どれもこれも旨そうであれこれ食べたくなるが、かなりのボリュームがあるので要注意である。
馬刺しやクジラなど一部を除いて値段も手頃で、高い満足感を得られること間違いなしの店だ。
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居酒屋 藍屋
住所 上海市長寧区延安西路2892号 (延安西路 x 虹許路、交差点を西)
営業 17:30~24:00
電話 021-6261-9970
交通 公交 虹許路(48路)ほか
予算 海ぶどう 40RMB / 豚足 20RMB / 特上馬刺し 150RMB / 皿うどん 40RMB など
言語 日本語 / 中国語
菜単 日本語 / 中国語 / 写真あり(一部) / カウンター上に本日のおすすめ品
備考 無料駐車場あり / プレミアム焼酎をはじめ80種類以上を用意