最後にブランコに乗ったのは、いつのことだったろうか?
踏み板に乗って大きく身体を揺すれば、遠心力によるGが身体を気持ちよく包み込んでいく。
遠くなる地面と、近付いてくる空が交互に訪れ、手を放せば宙へと飛べ出せる気がした。
そんな子供たちの代表的な遊具であるブランコが今、公園から次々と撤去されているらしい。
続発する遊具事故を受け、子を案ずる親と責任回避したい自治体の思惑が一致した結果だ。
公園から続々とブランコが、すべり台が消えつつあるというが、それで本当によいのだろうか。
事故が起きてからでは遅いとの気持ちも判るが、ぼくらは遊びの中から危険回避を学んできた。
もちろん遊具を設置する側も正しい使用方法の徹底や、有事の際の安全性の確保は必要だが
安直に撤去してしまうだけでは、子供たちが危険を学ぶ機会を失うではないかと心配になる。
危険から遠ざけられ育った子供たちが、本当の危機に直面したときに対処できるのだろうか。
なぜ突然ブランコの話を始めたかというと、とあるカフェにブランコが設置されていたからだ。
仙踪林は香港発の台湾系喫茶と軽食の店だが、今や中国のみならずカナダやオーストラリア
マレーシア、フィリピン、インドネシアにまで版図を広げる、一大グローバルチェーン店である。
こざっぱりとまとまった店内はいつも満席で、食事時には長蛇の列ができるのも珍しくない。
そんな仙踪林で目を引くのが店の中央にそびえる巨木で、その下にブランコがぶら下がる。
これ、インテリアなどではなく立派な客席であり、ブランコに揺られつつお茶を楽しめる。
はたして客としてブランコの上で食事はどうかと思うが、いつも人気のようで確保は難しい。
今回は残念ながら窓際の席に甘んじることとなったが、またここを訪れる機会があればぜひ
ブランコの上で食事やドリンク類を楽しみながら、危険回避について学ぼうと画策中である。
-------------------------------------------------
rbt 仙踪林 来福士店
住所 上海市黄浦区西蔵中路268号 来福士広場2F (西蔵中路 x 福州路、交差点)
電話 021-6340-3522
交通 地鉄1号 人民広場 / 公交 人民広場(108,217,318,451,518,537,802,930路)など
予算 エスプレッソ 18RMB / マンゴースムージー(大) 28RMB
言語 中国語
備考 上海市内に全6店舗を展開 / 世界では約120店舗