ひと月前に宜興で入手した茶器を
紹介するといったまま、今の今まで忘れてしまっていた。
以前から締め切りに追われないと動き出せないタイプなので、期限がなければ放置状態だ。
これではいかんと事あるごとに思うものの、思うばかりで改善されてないのが現状である。
そんなわけで今さらの感はあるものの、宜興で買った紫砂の茶壷と茶杯を紹介させて頂く。
茶壷は黒光りするきめ細かな肌を持つもので、ぷっくりとした丸みを帯びた様子が愛らしい。
水切れもいいし、フタと茶壷の精度もぴったりで、値段を考えればまずまずの品だろう。
茶杯は竹を模した造りになっており、大きさも手頃で今ではすっかり愛用の品となっている。
これら紫砂陶器を使用する前にはまず、土粉や土の匂いを取るためのならしが必要となる。
まずは洗剤を使わずに古い歯ブラシなどでよく洗い、茶葉を入れた鍋で1時間ほど煮込む。
これをひと晩ほど浸け込んでおき、冷水で洗ってから自然乾燥させればならしは完了だ。
丁寧に使い込まれた紫砂は、美しい光沢がかかり茶器自体がほんのりと香るようになる。
ぼくは岩茶が好きなので、今回手に入れた茶器は岩茶専用としてじっくり育てることにした。
TEAsiaにて入手した大紅袍は何煎でも岩韻が続き、茶壷へ少しずつ香りを移してくれる。
今後、どのような艶と岩茶の甘い香りを身に付けていくのか、成長が楽しみな茶器である。
さて、ここでもうひとつ紹介せねばならないのが、同じく宜興で作った
手作りの紫砂茶壷だ。
焼成の段階で割れることもあると聞いていたが、どうやら無事に焼き上がってきたようである。
出来あがりは正直、納得いくものではなかったので恥ずかしいのだが、約束なので公開する。
紫砂器は通常、光沢のあるなめらかな表面なのだが、手作りの持つ素朴さを強調してみた。
わざと形をいびつに歪めてみたり、表面を粗削りにして、手びねりによる作陶風を心がけた。
だが、現実には味があるというよりは、手抜きによる粗雑な雰囲気にしか見えないようだ。
基本を無視して応用に進んでも、あまりよい結果は得られないという教訓を残すこととなった。
☆
なお、これらの紫砂器は宜興まで行かずとも上海市内で買えるが、初心者には敷居が高い。
鑑定眼を持たないとニセ物を掴まされかねないし、本物だとしても相場が判りにくいのだ。
そこでお勧めしたいのが日本人店長のいる、中国茶のブティックと銘打つTEAsiaである。
店長自らが選んだ特選の茶器や、質にこだわって仕入れた茶葉を懇切丁寧に説明してくれる。
来週末よりオープン半周年記念の茶器販売を行なうそうなので、この機会にぜひ利用したい。
-------------------------------------------------
TEAsia (ティージア) -Chinese Tea Boutique-
住所 上海市盧湾区長楽路55号(長楽路 x 重慶路、
地図)
営業 11:00~21:00 (水曜定休)
電話 021-5383-8173
交通 地鉄2号 黄陂南路 徒歩8分 / 公交 重慶南路(02,146,920,926,945路)徒歩5分
価格 喬木古樹茶(プーアル餅茶) 120RMB / 黄金桂 35,65,200RMB (小,大,特大)
言語 日本語 / 英語 / 中国語
備考
開店半年記念セール 2006/9/9~9/17まで
網址
http://teasia.googlepages.com/home