ごはん友のNさんが、上海を去る間際に紹介してくれたのがプーアルさん。
まだ1度しかお会いしたことがないので、知らないことのほうが多い彼女ではあるのだが
旨いものを喰うのには労力を惜しまない、ぼくらと同じ『食いしん坊』の匂いを感じさせる。
ぼくの人を見る目が正しいのかどうかを確かめるためにも、今後もごいっしょしたい方だ。
そんなプーアルさんに教えて貰ったのが、進賢路と陜西路の交差点付近にある海金滋酒家。
オススメの蟹粉蛋をはじめとして、何を注文してもハズレがないと聞けば行かざるを得ない。
混雑を避ける為、土曜日のランチタイムを外した時間に、妻とふたりで訪れてみた。
床が油煙でヌルヌルするような、超ローカル店を予想していたが内部は思いの外キレイだ。
メニューは上海家庭料理がメインのようだが、それ以外にも一通りの料理が揃っている。
ふたりでは多すぎるかと思いつつも、店の親父のオススメを取り入れつつ6品を注文した。
一品めに運ばれてきたのは鴨をぶつ切りにした料理で、見るからに濃いタレがたっぷり。
タレだけを舐めてみると甘辛い味はかなり濃いように思えるが、さっぱりした肉と絡めれば
思いの外にぴったりで、包んで食べる餅かごはんが欲しくなること請け合いの前菜だ。
油爆蝦も普通とは違う甘めの味付けだが、しつこくなくて非常に旨かったので期待が膨らむ。
適度な辛さの麻辣豆腐や野菜炒めを楽しんでいると、やがて件の蟹粉蛋が運ばれてくる。
パッと見たところ蟹のほぐし身に見えるのだが、よく見れば卵の白身に過ぎなかった。
非常にふんわりと軽く仕上がっており、立ち上る香気はただの炒り卵ではないようだ。
箸でつまんで口腔へと運びゆっくり咀嚼すれば、確かに蟹の存在を意識させる風味がする。
視覚や舌触りでは認識できないが、蟹が入っているといわれれば信じざるを得ないのだ。
だが、プーアルさんの知人曰く、調味料だけでこの味を出しているのではないかという。
残念ながらぼくの舌では、その真偽を確かめることは出来なかった……。
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海金滋酒家
住所 上海市盧湾区進賢路240号 (進賢路 x 陜西南路、交差点付近)
電話 021-6255-0371
予算 油爆蝦 25RMB / 麻辣豆腐 10RMB / 蟹粉蛋 12RMB ほか
交通 地鉄1号 陜西南路 徒歩10分 / 公交 延安中路(41,301,128路)ほか
備考 店の老板らしき男性が少しだけ日本語を話す(挨拶程度)
言語 中国語