いろいろなお店を食べ歩いてきたけれど、旨い小龍包は小汚い店に多い気がします。
高級店がメニューの一品として作っているものは、意外と大したことがない場合が多く
薄暗いローカルなお店で、ハフハフいいながら食べるもののほうが旨かったりします。
価格相対比の問題もあれど、専売店ならではのこだわりが味に表われているのでしょう。
そんなこだわりの詰まった小龍包を喰わせる店があると聞き、さっそく訪れてみました。
佳家湯包は豫園からずーっと南に下り、復興東路を越えた文廟路口にある小さなお店。
ローカルな街並みが広がる通りにあって、そこだけが多くの人だかりで目を引きます。
入り口で貰う整理券がトランプのカードなのが、如何にも中国らしくて面白いですね。
メニューの表記を見ると現買、現做、現蒸、現吃(その場で買い、作り、蒸し、喰う)と
キャッチコピーのように書かれており、店の強いこだわりを感じることができました。
朝の混雑時にもこの方針は曲げず、常に注文を受けてから包んでいるそうです。
おかげで回転率は極端に悪く、お昼時も相まってかなかなか順番がまわってきません。
けれど、満足そうに立ち去る人たちの笑顔を見れば、焦らされているのすら快感に。
ようやく席に案内されたときには、期待感で胸がはち切れんばかりになっていました。
豊富なメニューを取り扱っているのもポイントで、小龍包の種類は全部で7種類も。
スタンダードな豚肉を筆頭に、鶏、エビ、蟹など豊富なメニューが用意されています。
蟹肉100%の『純蟹粉湯包』はローカル店とは思えない、81元の高級小龍包でした。
これだけ種類があると迷ってしまいますが、この日は一般的な鮮肉と鶏肉をセレクト。
やがて運ばれてきた小龍包は、中のスープが透けて見えるほどの薄皮で驚かされます。
隣の人が食べていた『純蝦仁湯包』などは、皮の向こうに見えるエビの赤が鮮やか。
針生姜甘酢漬けをひとつまみ乗せ、皮の端を噛み破れば熱いスープがほとばしります。
これだけ薄い皮が破れずに、内部にスープを保持していることもすごいのですが
そのスープ自身も深いコクを湛えつつ、ちっとも脂っこくないのが驚きでした。
鶏のほうは角切りの鶏肉が入っており歯ごたえも楽しめますが、やはり豚がオススメ。
ひとつの蒸篭に12個入っているので2種類にしておいたのですが、あとになって
もうひと蒸篭を頼んでおかなかったことを後悔しながら、店をあとにしました。
アクセスはかなり悪いのですが、それでも再訪したいと思えるお店だと思いますね。
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佳家湯包
住所 上海市黄浦区河南南路638号 (河南南路 × 文廟路)
営業 6:30~18:00 (土日は16:00まで)
電話 021-6366-3570
予算 純鮮肉湯包 6RMB / 純鶏丁湯包 8.1RMB / 純蟹粉湯包 81RMB / 針生姜 1RMB
交通 公交 蓬莱路(64,66,306,324,929,方川専線)ほか
言語 中国語