昨年末にオープンしたばかりの、
上海当代芸術館(MoCA)を訪れました。
MoCA は人民公園内に位置し、水と緑に囲まれた美しいロケーションに
いろいろなコンテンポラリーアートを集めた、新しい美術館です。
常設展示は存在せず、現在は『虚偽的愛 -Fiction@Love』というタイトルで
世界の現代アーティストたちの作品展を行なっているようです(3/5まで)。
ガラス張りの開放的な館内にはイラストやオブジェだけでなく、映像作品なども……。
暗室の中でLEDのハートが浮かび上がるだけのものや、空気をはらんだビニール袋の展示
機械仕掛けの擬似生命体が延々と交信を繰り返すものなど不思議な展示も多いですね。
映像も、それ自体がアート的なディスプレイで表示されていたりで興味深いです。
ただ、感心したり見入ってしまうものがある反面、理解不能なものも多かったです。
市販のフィギュアを組み合わせただけのものや、大量の人形を並べただけのものなど
はたしてこれをアートと呼んでよいのかと思う作品もいくつか見られました。
けれど、そもそも芸術なんて万人に受け入れられるものじゃないですよね。
誰かにとってはとてもよい作品に見えても、別の人にとっては駄作に見えたり。
その人の感性や捉え方によって、いろいろな形があるのだと思います。
そして、ぼくらの感性を直撃したのが、以下の短編アニメーション作品。
電車かもしれない
製作:近藤聡乃(日本)
音楽:知久寿焼(たま)
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再生はこちら
黄昏の世界で繰り広げられる白日夢を思わせるような映像世界で、印象的な音楽と
エロティシズムすら感じさせる動きがシンクロし、すっかり虜になってしまいました。
奥さんもこの作品に魅入られたようですが、感じ方がまったく違うのが面白いですね。
かなり鑑賞者を選びそうな作品でしたが、自宅に帰ってから調べてみたところ
日本で数々の賞を受賞したそうで、やはり人を魅了する何かがあるようです。
ネット経由でも見られますが、できれば現地で楽しむとまた印象も違うと思います。
もし興味のある方はぜひ、MoCAまで足を運んでみては如何でしょうか?
あなたの感性を刺激するなにかに、出会えるかもしれませんよ。
ぼくも展示が入れ替わるたびに、当代芸術館はチェックしようと思っています。
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上海当代芸術館 -Museum of Contemporary Art, Shanghai-
上海市黄浦区南京西路231号 (南京西路 x 西蔵中路、人民公園内7号門より)
電話 021-6327-1282
営業 10:00~18:00 (毎週水曜日は22:00まで、金曜日は休館日)
交通 地鉄2号 人民広場站9号出口 / 公共バス 20路 西蔵中路站など
入場 一般 20RMB / 学生 10RMB (その他年齢や職業により割引きあり)
虚偽的愛 -Fiction@Love- 当代異術国際巡回展
開催 2006/01/07 ~ 2006/03/05
場所 上海当代芸術館 / 外灘18号